前回からの引き続きW221 Sクラスです。
リアシートのヘッドライトが倒れない・・・。
ただそれだけなんですが、後方の視野が運転手からの目線ではかなり狭くなるんです・・。
それはそれは結構なストレスです。
運転すると分かりますがまさに同感でした。
ですのでリアのヘッドレストを倒します!!
(オーナー様からもう二度と起きなくてもいいからとにかく倒してくれ!)
とのご指示。
まずは座面シートを取り外します。
エイっと引っ張れば外れます。
この点は国産車と同じです。
続きまして背もたれ部分を外します。
ヘッドレストが起きた状態で背もたれ部分を外すのはかなり難儀しますがギリギリ外れます。
でこのような状態になりました。
トランク側からもアクセスします。
なんせ始めて作業ですのでとにかく手あたり次第ばらしていきます。
(もちろん非常に丁寧に)
ヘッドレストは2人いないと外せないと思います。
1人がロック解除レバーを2か所押しながら、もう1人がヘッドレストを引き抜く必要がありますので。
で外したアクチュエーターがこちら。
アクチュエーターに負圧をバキュームポンプで発生させるも動作せず・・。
1つのヘッドレストに1つアクチュエーターがありますので3つが同時に故障するとは考え難く色々と試してみると分かりました。
アクチュエーターに負圧ではなく正圧をかけると作動することに!!
エアホースが外れた写真ですがこれは私が外したものでここにポンプを繋いで動作を確認しました。
上の写真の左下にエアポンプがありまして動作音はしておりましたがほとんどエアを発生していない為、リアのヘッドレストがすべて倒れない事が分かりました。
原因が解ればあとは簡単です。
しかし オーナー様からは「2度と起きなくてもいいから倒してくれ!」
の指示・・・。
悩んだ挙句 いつでも倒せる加工を施すことに。
要はエアを強制的に送り込めば倒れるのですからエアホースを増設しました。
まずは実験。
真ん中のヘッドレスト(アクチュエーター)にエアを送ります・・。
すると・・。
パタンと倒れました!(嬉!!)
あとはエアホースを綺麗に接続して・・。
元に戻していきます。
座面のクリップを忘れずに・・。
分かりますか?
下の写真にエアホースを隠しました。
ここです。
もしまたヘッドレストを起こされた場合 ガッチリロックされますのでま~た全部バラさねばなりません。
それはそれは非常に大変ですのでこのホースですぐに倒せるようにしました。
このホースにエアを送れば3ついっぺんにパタンと倒れます。
たかがヘッドレストですが 倒れた時の喜びと原因が分かった時、加えて加工を施していつでも倒せるようになったことは整備士として非常に嬉しい喜びです。
部品代は今回エアホース30㎝(当店在庫)・・200円ほど・・・。
採算度外視で知恵と工夫で取り組んだ修理でした。
とても勉強になりました!
リアヘッドレストの構造はマスター(?したつもり)しましたので困りの方はいつでもご相談下さい。
W221にお乗りのヘッドレストでお悩みの方のお役に立てましたら幸いです。