朝一番だけエンジンがかからない、
またはとてもかかりにくいとの事でお預かりしましたバモスです。
セルは元気に回りますが始動しません 燃料か点火系の問題みたいですが・・。
(日中は問題なく始動しますので圧縮は問題ない仮定です。)
朝一番だけというのが中々厄介で、日中は普通にかかって何時間おいてもかかるんです。
何が厄介かと言いますと、かからない時の朝一番の時間内でないと故障診断が出来ないんです。
現在 福岡は朝8時で気温は6度前後です。
(今週は比較的温暖な傾向ですが12月の初旬です。)
また一度かかりにくくても一度かかるとその日は問題なく何度でもかかるんです。
水温センサーの特性ずれ?・・冷えた時のカム角センサーの不調?
燃料ポンプ?・・・冷えたコイル不調??インジェクターの垂れ???
何か制御に関する問題かと思いますが1つ1つ当たるしかありません。
お預かりして毎朝診断機を接続してライブデータとひたすらにらめっこです。
そして3日目の朝分かりました!
原因のは2つありその一つは「O2センサー」でした。
なんとか朝の時間が過ぎてエンジンがかかった時のO2センサーの数値が4.10Vだったんです。
少し高めではありますが、冷感時には燃料も多めの為 気にしていませんでしたが
そのバモスはよく考えるとA/Fセンサーではなく通常のO2センサーだったんです。
であれば4.10Vなんて数値はありえない数値です。
(O2センサーは、0.00~1.00V間で発電するセンサーです。)
4Vの発電量をECUが読み取ればそれはそれはスーパーリッチな訳ですから
限界値に近い超スーパーリーンな燃料しか送らないわけですね。
当店では下取り車などを廃車にする際 出来る限りO2センサーを外してストックしています。
そこで在庫を確認すると同じタイプのO2センサーが在り交換しました。
すると、しっかり0.00~1.00Vの範囲内で発電することが確認出来ました。
朝一番 4Vの発電によって、ECUが超スーパー希薄燃料を噴射命令を出しエンジンがかからなかったのだろうと推測できます。
しかしここでまだ腑に落ちない疑問も残ります。
超スーパー燃料なのであれば日中でもエンジンはかからない、またはかかりにくいはずではないのでしょうか?
ここからは仮説として聞いて下さい。
超スーパー希薄燃料はその希薄ゆえに吸入空気温度にシビアに反応し
吸入空気温度 1℃、2℃の違いで点火できなかったのではないでしょうか。
それであれば、つじつまが合います。
その点火可能な温度が7、8℃であれば日中始動出来ることも不思議ではありません。
始動しない日の外気温度は6℃以下・・・。
もう一つの原因はエンジン内部?ラジエーター内部?配管内部?のエア混入でした。
何らかの形でエアが入り込みそのせいで正しい水温が測れなったのではないでしょうか?
結果O2センサー交換後+クーラントのエア抜き後は問題なく朝一番でもエンジンは始動できるようになりました。
修理は完了しましたが自分の技量の足らなさを猛省した事例となりました。
修理完了まで3日かかりました・・・。
私の目指す「整備士」はこの診断修理を1日で出来る「整備士」です。
恥ずかしながら掲載致します。
バモスオーナーさんのお役に立てましたら幸いです。
追伸
「コンピューターは頭の良い馬鹿」
現在コンピューター(以下ECU)は非常に頭の良い馬鹿なんです。
??意味が分からないと思いますが???
非常に忠実なとてもとても優秀なマシーンなんですが・・
ECUは融通が利かないんですね。
O2センサーに4Vはおかしいではなく 与えられたデータを元にしか信号を送れずその基準に忠実に計算された信号を送るんです。
融通が利かないんですね。
そこで「融通の利くAI」の時代なんだと思いますが
それこそAIが発達して故障診断なんか全てECUに出来る時代が来たら
我々整備士は廃業に追い込まれるかも知れません。
うかうかしていられません。日々勉強ですね。
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どなたかのお役に立てましたら幸いです。。