アーバンオート福岡 記録簿

日々の整備記録です どなたかのお役に立てますように

トゥアレグのバタバタ音 Byプロペラシャフト

トゥアレグにお乗りのお客様より加速時に車体下からバタバタ音がするとのことで入庫です。
 
確かに軽く加速するだけで「バタバタバタ!!!」と車体の下から音がします。
これまでに経験したことがない故障事例でしたがリフトで上げてプロペラシャフトを揺すってみるとすぐに原因がつかめました。
プロペラシャフトの中間部分をさせているはずのラバークッション?が完全にちぎれてフリーの状態でした。
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この時点で「以外にあっさり見つかってよかった」とほっとしておりましたがなんといっても高級外車ですのでネットで過去事例を確認しました所出るわ出るわプロペラシャフトのベアリング交換・・・。
正確にはベアリング周りのマウント?ラバー?が千切れているだけですがなんと部品はプロペラシャフトASSY交換!!
 
で不良箇所だけ交換すれば良いわけですから輸入車の部品商さんからそのベアリングだけをお取り寄せ。
 
見た目は簡単に交換できそうですが結構大変です。
まずはプロペラシャフトを取り外すのに12角のギザギザソケットが必要です(正式名称は分かりません)
それからシャフトを2つに分けるためにカシメてある金属枠のブーツみたいなところをマイナスドライバーで起こしていきます。(これが結構面倒です)
で引っ張る。するとシャフトが抜けます。
ここからイライラっとする作業ですが国産車では見たことがないタイプのスナップリングですが、スプライン部分のリングを外します。
やった方にしか分からないと思いますが元々グルスだらけのところにツルッと滑りなかなか外れてくれません。
で・・なんとか外せましたら・・・。
 
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次はプレスで元のベアリングを抜き取ります。
抜き取ったら新しいベアリングを入れますがここで先ほど起こした金属枠をはめてからベアリングをプレスで圧入します。
 
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ここから逆の順序で組み込むわけですが・・・。等速ジョイントの組む向き?があるのは知っていましたが見事にやってしまいました・・・。曲がらない・伸びない関節を組んでしまい再度分解・・・。
正しく組んだ場合は曲がって伸びる関節ができます
 
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ジョイントの球の位置とスライド位置で組んだつもりでしたが逆です。この逆の意味を説明するのはとても複雑ですので個人でチャレンジする際はまず組んでみて下さい、曲がって伸びれば正解です。
 
基本的なことですがバラ前に双方のシャフトの位置をマーキングすればこのような失敗はないかと思います。
 
正しく組むことができればあとは簡単です、プロペラシャフトを元の位置に取り付けて終了です。
 
どなたかのご参考になれば幸いです。